Plenty’s Milk & Cheese Factory

アイスクリーム店と牧場の夢のタッグ

茅ヶ崎市東海岸北に本店を構える人気のアイスクリーム店「Plenty's」では、2021年のうし年から、同店で使う生乳全てを市内の牧場から入荷しています。

はじまりは、10年ほど前に茅ヶ崎里山公園で開催された畜産まつりでした。Plenty'sの代表・長谷川裕（はせがわゆたか）さんは、畜産まつりの会場でかきざわ牧場など市内の酪農家と出会い、「いつか茅ヶ崎のアイスクリームを、茅ヶ崎の牛乳で作りたい」という夢を抱きました。

一方、子ども達のための牧場体験を行うなど、地域の皆さんとの交流を大事にしているかきざわ牧場にとっても、同牧場の牛乳・乳製品を市内で販売することはかねてからの夢でした。かきざわ牧場では大手乳業メーカーに牛乳を出荷していますが、衛生管理の法律が厳しいため、牧場で搾りたての牛乳を提供することはできません。Plenty'sに牛乳を提供することで「地域の皆さんが『おいしい！』と言う笑顔を直接見たい」という願いがありました。

Plenty'sとかきざわ牧場がタッグを組むことで、2つの夢が同時にかないました。もちろん、茅ヶ崎産牛乳100％の新鮮でおいしいアイスは大好評！茅ヶ崎のローカルアイスとして、ますます人気が高まっています。

今ここでしか食べられない、
一期一会のソフトクリーム

なんといっても、一番人気は「しぼりたてソフトクリーム」。取材中もお客さんが絶え間なく訪れ、作りたてのソフトクリームを手に笑顔を見せていました。ソフトクリームはPlenty'sの本店でも買えない、ここだけの限定商品です。

おいしさの秘密は「茅ヶ崎産の牛乳がおいしいから！以上です！」と長谷川さん。愛情を込めて育てられている乳牛の牛乳を、搾りたてで使っているのでおいしくて当然、と太鼓判を押します。牛乳の風味を引き立てるために、高級和菓子で使われる「鬼ザラ糖」を使用し、すっきりした甘さに仕上げました。

長谷川さんが太鼓判を押す「湘南ちがさき牛乳」もお店で買えます。65度で低温殺菌したノンホモ牛乳で、一口目からいつもの牛乳と違う！と分かります。そのまま、ごくごく飲みたくなるおいしさです。

振ると瓶の上部に生クリームができるのは、ノンホモ牛乳ならでは。そして、夏は乳牛が水分をたくさん取るためさっぱりした味わい、冬は逆に濃厚な味わい、と季節によって微妙に味が変わるところも、天然の証しです。「魚や野菜が季節・個体ごとに味が違うように、牛乳も毎日味が変わるものなんですよ」と長谷川さん。

ローカルな工場だからこそ伝えられる牛乳本来の魅力を、このお店から発信できたら、と意気込んでいます。

茅ヶ崎産牛乳の魅力を広める
「牛乳くん」と「牛さん」を探そう

茅ヶ崎の生産者・アイスクリーム店・行政が手を取り合って実現したPlenty's Milk & Cheese Factory。

各方面の協力に謝意を表しつつ、長谷川さんは「僕らのお店は、まず生産者さんがあってのもの。毎朝おいしい生乳を提供してくださって、本当に感謝しています」と市内の牧場とのつながりに特別な想いを語ってくれました。

Plenty's Milk & Cheese Factoryの牛乳やチーズは、地域の飲食店、スーパーなどにも展開していく予定です。

茅ヶ崎産牛乳の魅力を知ってもらうために、茅ヶ崎市出身の人気イラストレーター北田哲也さんに依頼をして、「牛乳くん」と「牛さん」のキャラクターも誕生。街で見かけたら、「茅ヶ崎産の牛乳を使っているよ！」というサインです。

「Plenty'sは、僕が茅ヶ崎に一目惚れをして開店して以来、茅ヶ崎の皆さんに育ててもらったお店です。今後は皆さんに恩返しができたら、と思っています」と長谷川さん。

生産者と、飲食店・消費者をつなぐ役割も担うPlenty's Milk & Cheese Factory。「牛乳くん」と「牛さん」を見つけて、ぜひ茅ヶ崎産牛乳を味わってみてください。