大船フラワーセンター

花と緑で心を満たす散歩道
大船フラワーセンターを訪ねました

四季折々の花とイベントを楽しむことができる「大船フラワーセンター」。
ぐるっと歩いて1~2時間程度、お子さんとのお散歩にもおすすめです。
9~10月は、160個のおばけカボチャが集まるハロウィーンイベントが大人気です。

エントランスで記念写真を撮って、
散策スタート

エントランスに入ると、ミニカボチャや松ぼっくりで作られた、秋色のすてきなウエルカムモニュメントがお出迎え!モニュメントの周辺には、秋の草花とともにカラフルな小さな家やガイコツたちと記念撮影ができるフォトスポットもあり、ハロウィーンムードでいっぱいです。

「エントランスは、スタッフみんなで手作りしているんですよ」と教えてくれたのは、同センターで展示・催事マネージャーを務めている万波恵(まんなみ めぐみ)さん。草花のレイアウトは植栽チームを中心に、小屋をDIYしたり、オブジェ用の小物を添えたり、スタッフみんなで季節に合わせた演出を考えているそうです。

1962年開園と、60年以上の歴史を持つ県立大船フラワーセンター。大人世代も「子どもの頃に遠足で行った」など、懐かしい思い出がある人も多いのではないでしょうか。
2018年に大規模リニューアルを終え、現在は全国にフラワーショップを持つ日比谷花壇が運営に加わっています。案内をしてくれた万波さんも、花販売のキャリアを経てフラワーセンターの展示などに携わっているのだそう。

「お客さまとの距離が近い植物園を目指したいです」と万波さん。ただ今真っ盛りのハロウィーンやクリスマスシーズンにイベントを開催するほか、バレンタインにはカカオの実からチョコレートを作る講座も。「フラワーセミナー」と題して、こけ玉盆栽づくりや植物画教室、デジカメ教室など、植物に深く親しむことができる教室も数多く開催されています。

万波さんのおすすめは、月2回開催している「フラワーコンサート」。プロや学生などさまざまな音楽家の生演奏を無料で聞くことができるので、楽しみにしている人が多いのだとか。ご年配の方も、ベビーカーと一緒のママも、誰でも気軽に来場できます。

約1200株が咲き誇るバラ園
秋のバラは、香りも美しい

春・秋と、年に2回見頃を迎えるバラ園は必見です。オールドローズ、モダンローズ、つるバラなど約370種、1200株がそろい、花の女王が咲き誇る魅惑の庭園に足を踏み入れました。

秋咲きのバラは、9月中旬に丹念に剪定(せんてい)し、11月頃に開花するのだとか。「秋のバラは、色が濃く、香りが豊かなことが特徴です」と万波さん。「とくに、バラの香りは夜に強く感じられます」とロマンチックなお話を教えてくれました。香り高い夜のバラを堪能できるよう、11月2日・3日は特別に夜間開園を予定しています。幻想的にライトアップされた園内で、バラの香りに包まれる優雅な体験ができます。

神奈川県ゆかりのバラが集まったコーナーがあることも、大船フラワーセンターのバラ園ならでは。その名も「鎌倉」というバラは、地元のバラ育種家、大月啓仲氏が古都鎌倉に似合うバラとして、10年以上の時をかけて作り上げたのだとか。トゲがなく、深みのある黄色い花で、海と山に囲まれた都・鎌倉にふさわしい趣があります。

すずかけ・藤棚の木陰で
ゆったり過ごせるピクニックグラウンド

緑に囲まれてのんびり気分で過ごしたい方は、丁寧に手入れされた芝生が広がる「ピクニックグラウンド」へ。プラタナス(鈴懸の木)の大木の木陰にベンチが設置され、まるでヨーロッパの公園に来たような洗練された雰囲気です。

グラウンドのそばには大きな藤棚もあります。大きな藤に花が枝垂(しだ)れ咲く初夏も楽しみですが、秋の木漏れ日の風情もすてきでした。木陰で読書をしたり、日記を付けたり、そんな休日が楽しめそうな広場です。

この地で生まれた「玉縄桜」を知っていますか

大船フラワーセンターでは、春の訪れを告げる梅・桜も数多くの品種を愛(め)でることができます。約100本の桜の中には、緑色の桜「御衣黄(ぎょいこう)」、薄黄色の桜「鬱金(うこん)」といった、とても珍しい品種もあり、毎年の開花を心待ちにしている常連さんもいるそうです。

「鎌倉ゆかりの桜『玉縄桜』は、実は大船フラワーセンターで生まれたんですよ」と万波さんが教えてくれました。センターの前身である神奈川県農業試験場で、ソメイヨシノをベースに開発された早咲きの桜が「玉縄桜」なのだそう。2月末頃に開花し、敷地内の中央にある玉縄桜広場で来園者を楽しませています。

玉縄桜広場の近くにあるたくさんの鉢は、ハスの花です。その数なんと240種!約2000年前の地層から掘り起こされたハスの実が開花した「大賀ハス」など、全国的にも珍しい種類のハスが数多くあるそうです。

ちなみに、玉縄桜広場横にある展示場の屋上にはスタッフが世話をしているミツバチの巣箱があります。「花と昆虫は、とても大事なパートナーです」と万波さん。巣からハチミツを取り出す採蜜作業の見学会などを開催し、子どもたちに自然の摂理を伝えています。

色とりどりのサルスベリも

鮮やかな花の色に誘われて、サルスベリの木のエリアも訪ねてみました。庭木として神奈川県内の住宅地でも親しみ深いサルスベリですが、何本も集まって群生している姿もピンク・紫・白とサルスベリならではの花色のコントラストが鮮やか。広い青空とともに、可憐(かれん)な花々を堪能しました。

お子さんと一緒なら、広~い芝生広場へ
9~10月はおばけカボチャがごろごろ!

エントランス右側に広がる芝生広場は、小さなお子さんが元気に遊ぶのにぴったり。遠足で訪れる地元の幼稚園や保育園の園児さんにも人気のエリアです。

9~10月には、160個以上のおばけカボチャが広場に結集!茨城県常陸大宮市から取り寄せた大きなオレンジ色のおばけカボチャたちがごろごろと転がっている風景はなんともユーモラスで、遠方から来るファンも多いのだとか。

ハロウィーン期間は、木々におばけのモチーフが登場したり、中学生以下のお子さんにお菓子のプレゼントがあったり、秋だけのお楽しみがいっぱいです。
ところで、芝生広場に転がる大きなおばけカボチャたちは、全体を乾燥させておくことが大事。「この時期、私たちスタッフの朝一番の仕事は、朝露で湿った100個のおばけカボチャを転がして底面をお日さまに当てることなんです」と万波さん。おばけカボチャを長持ちさせることにもなるので、来園者もカボチャたちをゴロンゴロンと転がしてOKなのだそうです。

南国の花や食虫植物が見られるグリーンハウス

芝生広場の奥に見える大きなガラス張りの近未来的な建物は、光が降り注ぐグリーンハウスです。

高級香水に使われるイランイラン、バナナ、熱帯スイレンなどの南国の花や、ユーカリ、アカシアなどオーストラリアの花や熱帯原産の珍しい花がたくさん咲いています。フラワーセンターのグリーンハウスで9月から10月に見頃を迎える花は?と伺ったところ、意外にも「ハイビスカス」とのこと。温度と湿度の条件が保たれれば長く咲くので、お花を楽しめるチャンスが多いそうです。

子どもたちに人気があるのは、昆虫や小動物を捕らえて食べてしまう「食虫植物」のコーナーです。落とし穴式のウツボカズラ、閉じ込め式のハエトリソウなど、捕虫の方法もさまざまで、ちょっと怖いけれど独特の美しさがあり、つい見入ってしまいます。食虫植物たちは繊細なので触るのは厳禁ですが、じーっと間近で観察するのはOK。本館1階のインフォメーション売店でも大人気だそうです。

大船カフェのウッドデッキでひと休み

たくさん歩いて、美しいお花で心と目が満たされたら、カフェでひと休みしましょう。

入り口近くにある「大船カフェ」では、地元の食材を取り入れたスイーツや軽食を楽しむことができます。看板メニューは「大船カレー」、「大船ナポリタン」。大人も子どもも一緒に楽しめる優しい味です。地元の野菜は、センター入口付近の売店横で買えることもあります。

帰る前に、売店でお土産を選ぶのも忘れずに。オリジナルの手ぬぐいや、スタッフが撮った写真を使ったポストカードなど、ここでしか買えないカラフルなフラワーグッズが並びます。ハスの栽培キットなどお子さんと楽しめる体験教材も、植物に親しむきっかけづくりに良さそうです。

春夏秋冬、一期一会でお花と出会える植物園

「秋は紅葉やバラ、1~2月は梅、2~4月は玉縄桜、そしてボタン、シャクヤク、春バラといつ来ても季節の花をお楽しみいただけるよう、植物たちを育てています。年間パスポートもありますので、ぜひ春夏秋冬、それぞれの美しさを堪能してください」と万波さん。

大人のリフレッシュ散歩にも、子どもと一緒に植物の尊さを学ぶためにも、何回でも訪れたくなるすてきな空間でした。

街時間・読者プレゼント

今回ご紹介した大船フラワーセンターの人気商品のセットを、
JAさがみ准組合員の皆さまの中から抽選で2名にプレゼントします。
応募の締め切りは2024年12月2日(月)。
下部のリンクボタンから応募フォームへ遷移します。
記事の感想やご意見・ご希望もお寄せください。

※プレゼントの「ポストカード」と「ウツボカズラ」のぬいぐるみ小物入れは、
本館1階のインフォメーション売店にて購入することができます。

応募は締め切りました

日比谷花壇大船フラワーセンター

◎開園時間/<3月~10月>9:00~17:00・<11月~2月>9:00~16:00
◎休園日/第二・第四月曜日(祝日の場合は開園し翌日が休園日となります)
 ※年末年始(12月29日~1月3日)
◎入園料/20歳以上(学生以外)400円、学生・20歳未満 200円、高校生・65歳以上 150円、
 中学生以下・障がい者 無料
 ※年間パスポート・団体割引ほか詳細はホームページをご確認ください
◎住所/〒247-0072 神奈川県鎌倉市岡本1018
☎0467-46-2188 https://www.fcofuna-kanagawa.jp/

鎌倉Style vol.05
華咲く街×人情
秋を探しに 大船プチハイク!