ガラス制作 ぐり工房
自分だけの宝物でつづる ガラスペンの工房
繊細でかわいい、ぐり工房のガラスペン
工房代表のガラス作家、森永さん
ガラスならではのカラフルな輝き
白い壁に赤い屋根の「ぐり工房」
おうち時間に寄り添うガラスペン
若い女性の間で静かなブームに
ペン先から本体まで、すべてがガラス製の「ガラスペン」を知っていますか。
透明に輝くガラスペンに好きな色のインクを浸して、濃淡を楽しみながら文字や絵を書くことが、おうち時間を大事に過ごす若い女性の間で静かなブームになっています。
ガラスペンや万年筆で朝一番に心をこめて文字をつづり、SNSで共有する「朝活書写」という新しいムーブメントも生まれています。アナログだからこその楽しみが、若い女性の心を捉えているようです。
「工芸品を日常の道具として使うのは、とても豊かなことだと思います」とガラスペンの魅力を語ってくれたのは、ぐり工房の代表を務める森永久美子(もりながくみこ)さん。ガラス作家としてアクセサリーやオブジェの制作で活躍している中で、ガラスペンに出会いました。
美しいフォルムを持ちつつ、道具としての機能も求められるガラスペンは、アーティストとしてのセンスと職人技術の両方を求められます。工房のスタッフとともに、手作業で丁寧にガラスペンの制作を行っています。
もともとは茅ヶ崎市内で創作活動を行っていましたが、一般の人が足を運べる体験工房のオープンにあたって、寒川町へ移転しました。
「全国から来てくださる方が多いことは想定していたので、駅から歩けることを条件に、新しい場所を探していました」と森永さん。たまたま、寒川駅の近くにある店舗を紹介され、「ここがいいな」と即決したのだそうです。
元はイタリアンレストランだったという建物は、ウッディで解放感があり、かわいいガラス作品を生み出す「工房」のイメージにぴったり。寒川町の新しいスポットとして、みんなに愛されています。
全国的にも珍しい、
バーナーワークができる体験工房
ぐり工房では、一般の方もガラスペン、アクセサリーなどの制作体験ができます。高温の酸素バーナーを使ってガラスを溶かすバーナーワークができる工房は珍しいため、全国からファンが訪れています。一番簡単なコースであれば、小学生から体験可能です。
取材当日は、「宇宙コース」という体験コースが行われていました。ガラス玉の中に天体の軌道のような青白い渦模様を閉じ込めたり、ラメを星くずのように散りばめて宇宙空間を表現するアート制作です。
バーナーの使い方の練習なども含めて、3~4時間かけてじっくり作品を完成させます。発色や曲線のデザインは、素材とバーナーの火加減によって変幻するので、まさに一期一会。講師を務めるスタッフから、「すごい、こんなきれいな色が出るなんて!」と感嘆の声が聞こえるシーンもありました。
完成に近づくにつれて、輝きが増すガラスアート。世界に一つだけの宝物を手にすることができます。
酸素バーナーワークの体験が可能
専用の眼鏡を掛けて作業をします
高温のバーナーでガラスを加工
これが「宇宙コース」の作品。きれい!
新作の「ゆめかわ虹バルーンガラスペン」
マトリョーシカのペンダントもかわいい
まるでお団子か飴細工みたい
ガラスペン、使ってみませんか?
「書くことが好き」な女性のために
夢あるガラスペンを作り続ける
ぐり工房では、工房で制作されているガラスペンやアクセサリーを買うこともできます。新作の「ゆめかわ虹バルーン」をはじめ、シンプルな中にも愛らしさがいっぱい込められたガラスペンは、まるでスイーツのような甘いムードが魅力です。
ガラスペンを使って文字を書く方は女性が多いそうです。ところが、ガラスペンの作り手は男性が多かったため、森永さんが「女性のために、女性がガラスペンを作ってほしい」と頼まれたところから、ぐり工房ではガラスペンの制作をスタートしました。
「それなら、『女の子が好きになるかわいいガラスペン』を思いっきり作っちゃおう!と思いまして」とキラッと輝くすてきな笑顔の森永さん。創作意欲を刺激され、和菓子や猫などをモチーフにしたオリジナルデザインを次々と作り上げました。
かわいいのはもちろん、書きやすさにもこだわったぐり工房のガラスペンは、たちまち全国の文具専門店で人気を博しました。専門誌でも紹介され、多くのファンに支持されています。
「自分だけのお気に入りのペンで、インクや紙にもこだわって、メッセージをつづる。ラグジュアリーな時間を持てる道具だと思います」と森永さん。全国のガラスペン愛好家の声に応えつつ、創作活動を続けています。
ガラス制作 ぐり工房
◎営業時間/10:00~18:00 ◎定休日/不定休 ◎住所/〒253-0111 寒川町一之宮1-14-8
◎Webサイト/https://www.guridrops.net
☎080-5548-5489