湘南のコラムニスト諸星千鶴さんが贈る、
地元の出来事やおいしいモノのお話。
毎日忙しいママたちも、クスッと笑えて
元気になれる共感度100点満点？？のお話です。
今年の冬はとにかく寒かったですね。比較的に温暖と言われる湘南地域であっても、日が陰るとまだまだ心細くなるような冷たい風に。もう少し先の春本番が待ち遠しくなりますが、そんな日の諸星家の夜のご馳走はやっぱりお鍋です。「部屋も暖まるし、電気代も節約だぞー」などと訳のわからない一石二鳥も付け加えちゃったりして。エアコンを切って、部屋の真ん中に具材たっぷりの大きな鍋をスタンバイ。後はグツグツ、フゥーフゥー、ハーウハフ。鍋を囲むと自然と会話も弾みます。部屋もお腹も心もみんな、ニコニコ、ホカホカ。ということで、諸星家のトレンドの鍋を、３つも一気に紹介します。
まず一つ目は、庶民の味方、薄切り豚肉の「掛け布団鍋」
さあ、冷蔵庫を開けてください。きっとあることでしょう、鍋に入りたがりそうな使いかけの野菜と薄切り豚肉。白菜、キャベツ、レタス、ネギ、キノコ、にんじんなど御王道はさながら、ナスやかぼちゃなど基本は薄切りにしてどんどん大鍋に入れてしまいます。ポイントは、入れる野菜は何でも良いのですが、同じ時間で熱が通るように、入れる野菜を薄切りにしておくこと。
あとは野菜同士の相性だけ気を付けながら、趣味趣向で並べます。男性アイドルグループの編成と一緒で、並べることによる相性ってありますからね（この発想が、少しおばさんぽいかしら）。アクが強すぎる野菜ばかりでも良くないですし、ハナがないものばかりでも面白くないし、ここは腕のみせどころですね。
野菜を並べたら、和風出汁でもコンソメでも適当に入れて、お酒をドボドボ。お酒をかなり多めに入れ、生姜もたっぷり。最後に野菜たちの上に薄切りの豚肉を合宿所の大部屋で雑魚寝するときの掛け布団のように敷き詰めます。そう、野菜の姿が見えないくらいに。あとは蓋をしてしばし待つのみ。美味しく炊けた野菜の旨味を薄切り豚肉が蓋をして、美味しくないはずはない。我が家の定番時短メニューなり。
続いては「ゴボウ鍋」です。あの・・・要はもつ鍋なのですが。あまりにもたくさんゴボウが入っているので、我が家ではゴボウ鍋になってしまいました。あのゴボウを２、３本ペロリ。とにかくゴボウが美味しいお鍋です。
最近は、スーパーでも見かけるようになりましたが、通販のお取り寄せなどでも本場のモツ鍋用の美味しいモツやお出汁が気軽に買えるようになりました。我が家は迷わずそちらを使います。
モツ鍋は美味しい湘南のキャベツと相性抜群なので、ザクザク切って多めに。ニラは最近値段も高めなのでちょんまげ程度。そして主役のゴボウはササガキ、もしくは斜めに薄切りでもよいし、ビューラーでガンガン削いでからたっぷり入れます。色が変わらないようにゴボウをあらかじめ水に浸しておき、鍋をやりながらどんどん追いゴボウを楽しみます。
そして、最後にご紹介する我が家の不動の人気鍋は「たっぷりヨーグルトのトマト鍋」です。ベースはトマト缶一つとコンソメなどの出汁、ニンニク。そしてヨーグルトを１パック全部使い混ぜ合わせ、事前に鶏肉（骨付き、モモ肉、ムネ肉などお好みで）を漬けこんでおきます。お野菜は適当にタマネギ、ジャガイモ、にんじん、ブロッコリーなど（煮崩れしやすいものは後からね）など。漬け込んでおいた鶏肉と野菜を入れて弱火でコトコト、グツグツ。
オシャレな無水鍋などを使ったらさらに美味しく、おしゃれに。ピリッとしたうまさが欲しければカレー粉を少々、トマト度をアップするために直前に追いトマトを入れてもよいですし、たっぷりチーズをかけてもよし、我が家の人気No.１メニューです。
以上が諸星家のトレンド鍋でしたがいかがだったでしょう。
そして、ココで私の悩みを聞いていただけますでしょうか。それはそっとウィンナーを入れる奴がいるということです。最初にご紹介した豚肉の掛け布団鍋をやっても、布団をめくると、そっと気持ちよさそうにウィンナーが寝ているではないですか。え？いつの間に？誰？入れたのは？
ゴボウ鍋では、せっかくお取り寄せした本場のもつ鍋の元を使っているのに、いまいち本場の味と違う。不審に思ったら、底の方にそっと彼らが隠れているのですよ。ウィンナーもいい出汁が出ますからねぇ、出汁と出汁が潰しあっている感じ。
ヨーグルト鍋などは、トマトを味方にすでに我が物顔の主役級のウィンナーさんたちですよ。鶏肉などものともせずに堂々と真ん中にいますもの。もうこうなってくると確信犯ですね。お鍋に入っているウィンナーって体積が１、２倍くらいになって、パリッとしてジュワーッとして、一段と美味しいのですよね。
毎回、独特の味が出てしまうので「せっかくのお出汁が台無しじゃん！」と憤りを感じるのですが、結局は家族でいつも取り合いになります。侵入者なのに、「今、何本食べた？」「私はまだ一本しか食べていないよ」と、争奪戦になるのも事実です。皆さんのオタクでは、ウィンナーの侵略は起きていませんか笑。そして、きっと皆さんのおうちにも、家族が喜ぶ大好きな鍋ってありますよね。みんなで囲む鍋の味をぜひ教えて欲しいです。
たっぷりヨーグルトのトマト鍋
諸星 千鶴
人気の地域情報誌「湘南よみうり」の編集長を勤めたのち、企業のサポートなどを行い、現在はりえぞんプロダクツ株式会社の代表として、企業広報や地域広報に携わる制作会社を絶賛経営中。ジモトを愛し、東奔西走する毎日。食べることが好き（でも好き嫌いは多い）、家事は下手。ラグビーとランニングを愛する１男１女の母。52歳。安曇野市出身、藤沢市在住。
