地層によって磨かれた、ミネラル豊富な「湧水」だから

蛇口をひねれば天然水という、夢のような街「座間」。
この水は地域の宝として、古から多くの人々によって守られています。

湧水のまち、座間の水

豊かな湧水に恵まれている座間では、市内の水道水の８割以上が市内で汲み上げた地下水です。国内でも珍しい中硬水で「おいしい」と評判の座間の水。その特徴や、地下水を守るための取り組みについて、お話を伺いました。

地層に磨かれ、河岸段丘から湧き出す清水

内容量や広い飲み口のアルミ缶は、おいしく飲むための工夫です

湧水のせせらぎが、暮らしの中で大切にされています

開発に尽力した「ざまみず」を手に語る、田中正行さん

爽やかな青いパッケージの「ざまみず」と一緒に

蛇口をひねれば、天然の中硬水
おいしい「座間の水」

座間市内の水道の蛇口から出る水は、「地下水」がもとになっているのをご存じですか？
近隣市町で使われている県営水道の水道水は、宮ヶ瀬ダムなどが水源ですが、座間市内の水道水は特別なんです。
「座間市の皆さんが使っている水道水は、地下から汲み上げた天然水が8割以上を占めます」と教えてくれたのは、座間市上下水道局の田中正行（たなかまさゆき）さん。地層を通ることで濾過され、不純物が自然の力で取り除かれているので、浄水場で処理する必要がなく、最低限の消毒だけを行って各家庭に供給されます。市内限定なので送水する距離が短いため、消毒も最小限で済むのだそうです。

座間の湧水にはマグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が多く含まれており、硬度114の中硬水。国内の地下水は沖縄などの一部の地域を除いてほとんどが硬度100以下の軟水なので、とても珍しい存在なのだとか。毎日、ミネラル分たっぷりのお水を料理や飲み水に使えるとは、なんとも贅沢なお話です。水温も年間を通じて10度ほどで安定しているので、夏は冷たく、冬はほんのり温かく感じられます。
「市内のラーメン店の方から『座間の水でゆでた麺は、ゆであがりが全然違う』と言っていただくこともありますよ」と田中さん。座間駅前のコーヒー専門店「コーヒーノート」では座間の水を使ったカフェオレベース「ザマオーレ」が商品化されるなど、座間市の特産品づくりにも役立っています

未来の地下水を守っていくために
みんなの地道な取り組みが大事

「座間の水は、みんなで大切に守っているお水です」と語ってくれたのは、座間市生活安全課の小寺良（こでらりょう）さん。豊かな湧水を守るために、市では基本計画を作って地下水の管理や情報発信を担っています。

地下水を利用し過ぎて枯渇してしまうことがないように、市では採取量の管理と水位の監視を行っています。水質は年6回計測し、汚染されていないか、成分に変化がないかをチェックしています。

そしてもう一つ、地下水を守るために必要なことは、地下に染み込む雨水の量を保つこと。「地下水は、降った雨が地層に染み込むことで豊かになります。都市化が進み、雨水が下水道に直接流れ込む量が増えてしまうと、地下水が減ってしまう危険があるんです」と小寺さん。田畑や緑地などの環境を守ることが、地下水を守ることにつながっています。
座間市では地下水や湧水保全のため、市民の皆さんに雨水の地下浸透や有効利用をお願いしています。『雨水浸透ます』等の設置に対して助成制度もあるそうです。

「やっぱり座間の水はおいしい、とずっと言えるようにするためには、市民の皆さんのご協力が欠かせません」と小寺さん。「湧水に恵まれているのは、座間ならではの素晴らしい点です。ぜひ興味を持っていただければ、と考えています」と呼びかけています。