大和市文化創造拠点シリウス

絵本も児童書もいっぱい、本が好きな子のパラダイス

まるでおしゃれなカフェにいるような館内

どのフロアも明るく開放的で、リラックスできます
1~5階までぜーんぶ図書館!
カフェ感覚の落ち着いた空間
「大和」駅の東側にある「大和市文化創造拠点シリウス」を知っていますか? 芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場など、いろいろな機能を備えた新しいタイプの公共施設です。今回は、市外在住の方も利用できる図書館と屋内こども広場を探索しました。
1~5階フロアの大部分を占める図書館は、県内でも指折りの規模。
開放感あふれる吹き抜けの空間が広がる1階は、ガイドブックやライフスタイルなどの身近な暮らしに関する本や雑誌のコーナーがあります。落ち着いたインテリアは、まるでブックカフェのよう。ふらりと立ち寄ることのできる駅前の施設でゆったり読書できるなんて、とてもぜいたくだな、と思いました。
ちなみに、コーヒーショップも併設されています。入れたてのコーヒーが薫る空間で読書タイム、すてきですね。
3階は子どものための図書館と遊び広場
エスカレーターで3階にやってきました。1階のシックなイメージとは変わり、こちらはカラフルで楽しいムードです。
「3階は、子どもたちのためのスペースです」と案内をしてくれたのは、大和市立図書館副館長の長島美幸さん。シリウス全体で49万冊の蔵書があるうち、およそ5分の1にあたる10万冊が児童書・絵本とのことで、子どものための読書環境を整えようという熱い思いを感じます。
入り口付近にあるのは、季節にちなんだ本や新刊が紹介されている展示コーナー。本の専門家である長島さんたち、そしてイベント担当のスタッフが協力をして、子どもたちが本に興味を持てるように工夫をしています。カラフルな子ども新聞も各新聞社のものがそろっていて、自由に読むことができます。
つまりここは、本が苦手な子でも親しみやすく、そして図書館の常連となっている本好きの子も新鮮な気持ちで本に出会えるウェルカムスペース。もちろん展示コーナーに並んでいる本も、借りることができます。

案内してくださったのは、大和市立図書館副館長の長島美幸さん

子どもたちが本に触れるきっかけを提供する「ウェルカムスペース」

新聞書体の案内表示もおしゃれな「こども読書室」

ほどよい穴蔵感で、自然と読書に集中できる設計です

子どもたちに人気の書籍がずらり。手に取りやすい工夫がなされています
じっくり集中できる、こども読書室
展示コーナーの右手にあるのは、「こども読書室」です。
「こども読書室は、興味があることをじっくり探求できるスペースです」と長島さん。3階のこどもフロアは、多少のおしゃべりはOKというおおらかなルールですが、こども読書室はあえて図書棚やガラスで部屋全体を囲うことで、集中力を高められる空間づくりをしています。図書棚に囲まれるような形で子ども用サイズの椅子と机が置かれていて、本を読んだり、ノートにまとめたりする作業にぴったりです。
子どもの手が届く高さにずらりと並んでいるのは、図鑑や子ども向け実用書など、知的好奇心を満たしてくれる良書たち。生き物や自然現象などの科学分野はもちろん、乗り物、地理、歴史、音楽、スポーツなど幅広いジャンルの子ども向け書籍がそろっています。例えば、折り紙の本だけでも100冊以上ある充実ぶり。大型書店の児童書コーナーでも見たことのない本が、ここにはありました。
子どもたちに大人気のサバイバルシリーズ、名探偵コナンやドラえもんの科学系シリーズなどは、手に取りやすいよう別の棚にまとめて置いてあります。
漫画感覚で読みやすいので、読書や調べ物が苦手な子にもおすすめです。本選びやテーマ選びに迷ったら、まずはこのコーナーの本から読んでみるのもいいかもしれませんね。
わくわくする迷路のような児童書コーナー
赤・黄・緑・青と、カラフルな書棚には物語がいっぱい! 主に小学生向けの文学の世界が広がっています。
選びやすいように区分けされつつ、本棚のレイアウトにはひと工夫あります。本棚と本棚の間をぐるぐると進む動線にして、あえて迷路のような構造にしているのだとか。「新しい本に出会ってもらうための作戦なんです」と長島さん。本を探しながら、さまざまな書棚の前を通ることで、「こんな本もあったんだ! 読んでみようかな」と子どもの興味を広げるチャンスを作っているそうです。
どの本を選べばいいのか迷ったときは、書棚の側面に「面出し」されている本を手に取るのがおすすめです。
図書館のスタッフが、季節にちなんだ本や人気の本、おすすめの本をピックアップして、表紙が見えるように置いています。長島さんは「一度に10冊まで借りられるので、興味がある本を自由に開いてみてくださいね」とほほ笑みます。
検索機で本の場所を調べたり、蔵書を確認したりすることもできます。長島さんいわく「子どもたちは操作を覚えるのが早くて、すぐに使えるようになります」とのこと。ひらがな入力にしたり、大きな字で表示したりすることもできます。操作が分からないときは、カウンターにいるスタッフが手伝ってくれます。
調べた本がどこにあるかは、画面の館内地図に分かりやすく表示されます。子どもが自分で本を探す時間も、図書館の妙味です。

迷路のような棚の配置や変化をつけた色、高さもわくわく感を刺激する工夫です

毎月、テーマに沿ったラインアップが「面出し」されます

年齢問わず、誰もが使いやすいタッチパネル式の検索機

おはなし会が開かれる「おはなしのへや」。近くには大型絵本や紙芝居もあります!

読み聞かせを通して親子でゆったり、赤ちゃんと絵本を楽しめます

DVD視聴も楽しめる「こどもシアターブース」
紙芝居や大型本も!
絵本の世界へようこそ
フロアの奥側には、文学コーナーの書棚よりも、少し背の低い書棚が並んでいます。ここは幼児・乳児のための絵本コーナーです。
赤ちゃんと過ごすのにぴったりな、カーペットが敷かれた「ちいさいこのほんコーナー」も用意されています。おすわり、ハイハイで赤ちゃんを自由に遊ばせながら、ママもペタッと座ってひと休み。お膝の上で絵本を読んであげたくなる、落ち着いたスペースです。
ちいさいこのほんコーナーを囲む低めの本棚には、きかんしゃトーマス、アンパンマン、どんどこももんちゃん、こぐまちゃんなど、はじめての絵本にぴったりの人気シリーズがいっぱい。小さな子が夢中になる乗り物の絵本も充実しています。「絵本は自由に手に取らせてあげてください」と長島さん。
絵本コーナーにある「おはなしのへや」では、毎週のように読み聞かせのイベント「おはなし会」が開催されています。赤ちゃん向けのもの、親子で参加できるもの、小学生向けのものなどがあり、申し込み不要で無料で参加できます。
ちなみに、おはなし会で人気の紙芝居や大型絵本も絵本コーナーに並んでいます。他の絵本と同じように貸し出しもしているので、おうちで紙芝居をしてみたり、読み聞かせごっこをしてみるのも楽しいかもしれませんね。
子ども向けの映像を楽しめる「こどもシアターブース」もあります。DVDを棚から選んで借りれば、その場で視聴可能です。
本を読んで、映像を見て、図書館で親子一緒に過ごす一日。パパ・ママも一緒に楽しみながら、子どもの心と知能を育むことができる空間だな、と感じました。
名作ぞろいの「まんがコーナー」。
雑誌も充実のラインアップ
そして、学生さんたちが目を輝かせてしまいそうなのが、4階の奥にある「まんがコーナー」です。藤子不二雄作品や「SLAM DUNK」など、今や国民的作品ともいえる定番の名作から、ドラマ原作になっている最新の人気作品まで、幅広い世代が楽しめるたくさんの漫画がそろっています。
ママ世代の皆さんなら「動物のお医者さん」や「あさきゆめみし」など“高校生のときに夢中で読んだな”というシリーズもずらり。表紙を見ただけで心がときめいてしまいました。
貸し出しはできないので、その場で読んで返却するルールです。
また、4階には雑誌コーナーもあり充実のラインアップ。パパももちろん、全世代が喜ぶジャンルが多彩にそろっています。

今や漫画は文化。圧巻のラインアップがその場で楽しめます

開放的な雑誌コーナー。最新のホビー情報などもゲットできます

4階のイベントスペース、「健康テラス」はイベントが目白押し

健康づくりのヒントが盛りだくさん。食育本も充実
大人向け図書館、キーワードは「健康づくり」
さて、4階は大人向けの普通の図書館・・・と思いきや、ここにもユニークな工夫がいっぱいです。
まず入り口近くにあるガラス張りのイベントスペースは、その名も「健康テラス」。健康や趣味に関する講座やイベントがほぼ毎日開催されており、市民の交流の場として人気です。
他にも体組成計や血管年齢測定器、脳年齢測定器などが自由に使える「健康度見える化コーナー」も併設されていて、日々の健康に役立ちそうです。
奥には「健康コーナー」。大型書棚に病気・介護のことや健康づくりに関する書籍・雑誌がぎっしり並びます。健康に関する知識が欲しいときは、ここに来れば大丈夫、と思えるほどの充実ぶり。本選びで迷ったときに相談できる健康専用のレファレンスカウンターもあります。
どうして図書館で「健康づくり」に力を入れているのでしょうか。その答えは、「おうちから一歩出てもらうことが、シリウスの存在意義のひとつでもあるんです」と長島さん。気軽にシリウスに来て交流することが、子育て世代の孤立を防ぐこと、高齢者のおひとりさまを作らないことにつながると考えられています。
これまで図書館に行く習慣がなかった方にも来館してほしい、という願いを込めて、イベントや映画上映などを充実させているそうです。
そして図書館に足を運んだ人が、気分よく滞在できる工夫も凝らされています。
広い座面のソファは、横に小さなテーブルが置かれ、誰にも邪魔をされずにゆったり読書ができるスペシャルシートです。また大テーブルの読書席は、グリーンを配置することで向かい合う人の目線が気にならないように配慮されています。「従来の図書館の堅いイメージとは発想を変えて、また来ようと思える空間づくりをしています」と長島さん。
ちなみに、4階の展示コーナーでは、図書館スタッフが月替わりでセレクトしたおすすめ本が並べられています。そのまま借りることもできるので、要チェックです。
まる一日いても飽きさせない工夫が満載の大和市文化創造拠点シリウスの大型図書館。ぜひ親子で、身も心もリフレッシュしに来てみてください。
ちなみに、小さなお子さんがいても安心ですよ。その秘密を知りたい方は「ちびっこ広場・げんきっこ広場」へどうぞ!

明るくゆったりした空間。居心地の良さが人を呼びます

リゾートホテルのような読書席。思う存分、読書を楽しめます。

図書館スタッフの皆さんも自ら楽しんでいるのが伝わってくる、選書のラインアップ

市外の方もご利用できます。ぜひ一度お越しください
大和市文化創造拠点シリウス(指定管理者 やまとみらい)
◎受付時間/【3階】9:00~19:00 【4・5階】平日9:00~21:00・日祝9:00~20:00 ◎休館日/12/31〜1/1
◎住所/〒242-0016 神奈川県大和市大和南1-8-1
大和市立図書館 ☎046-263-0211
https://yamato-bunka.jp/library/