machijikan | vol.05

55万本のヒマワリ畑

55万本のヒマワリ畑

広大なヒマワリ畑が、豊かな土と地域をつくる

見渡す限り、ヒマワリの海

見渡す限り、ヒマワリの海

開花までの活動を熱く語る、松平涼さん

開花までの活動を熱く語る、松平涼さん

55万本のヒマワリが咲き誇る
座間の「ひまわりまつり」

首都圏随一の規模といわれる座間の「ひまわりまつり」。夏の青空の下、畑一面に美しく咲き誇るヒマワリは、今や座間の代名詞ともなっている美しい風景です。

毎年恒例の「ひまわりまつり」、2024年は8月10日~13日に開催されました。4日間とも晴天に恵まれ、多くの人が訪れました。メイン会場である座間エリアではハイブリッドサンフラワーという品種が、少し離れた四ツ谷エリアではハイブリッドサンフラワーのほかに、ビンセントと呼ばれる切り花用品種のヒマワリが咲いています。

「もともとは、遊休農地の対策としてスタートしたんです」と、「ひまわりまつり」の歴史を教えてくれたのは、座間市産業振興課で農政係を務める松平涼(まつひら りょう)さん。

耕作する人がいない農地(遊休農地)は、そのまま放置すると荒れてしまいます。農地を守るために、座間市の「市の花」であるヒマワリを植えたところ、きれいな景観が話題となって座間を訪れる人が増えました。そこでシティープロモーションの一環として、地域の人たちの手によって、ひまわりまつりが開催されるようになったそうです。

きれいなヒマワリ畑をつくるため
地元の農家の皆さんが尽力

座間市ひまわりまつり実行委員会のメンバーは20人ほど。ヒマワリは、地元の農業者の皆さんがJAなどの協力を得ながら育てています。

「ひまわりまつり」の主役、ハイブリッドサンフラワーは観賞用・遊休農地対策用とされていて、肥料や水やりの手間が比較的少ないことが特徴ですが、第一の関門は種まきの直後。種まきすると鳥たちが飛来し、まいたばかりの種を食べてしまう被害が続出しました。そこで、JAの職員も一緒になり、対策を考えました。種をまく日を分散したり、種に鳥よけの忌避剤を混ぜる一手間を加えたりすることで、ヒマワリを守ることに成功しました。

6~8月の畑は、少しの作業でも汗が吹き出すほどの暑さです。稲作の農作業とも重なる多忙なシーズンですが、同実行委員会の皆さんに見守られながら、ヒマワリはすくすくと育てられていきます。

全国からお客様が訪れます

全国からお客さまが訪れます

四ツ谷エリアを手がけた、四ツ谷ひまわり会の皆さん

四ツ谷エリアを手がけた、四ツ谷ひまわり会の皆さん

地域の魅力が凝縮された模擬店は、大盛況

地域の魅力が凝縮された模擬店は、大盛況

窪田樹さんは、夕陽の四ツ谷エリアがお勧め

窪田樹さんのお勧めは、夕陽の四ツ谷エリア

座間の魅力を発信!
みんなが一つになれるおまつり

「ひまわりまつり」当日、全国各地からたくさんの人が訪れ、会場は大盛況。名物のひとつ、アユのつかみどりにも多くの人がチャレンジし、予定時刻より早く完売となりました。「地域の人みんなでつくるおまつり。盛り上がってうれしいです」と語るのは、座間市産業振興課で商工係を務める窪田樹(くぼた いつき)さんです。

「ひまわりまつり」に出店する模擬店は、地元の商店やカフェが運営しています。おまつり当日に来訪客に憩いの場を提供しつつ、座間の商工業の魅力も発信する重大な役割を担っています。

窪田さんは、四ツ谷エリアを担当。四ツ谷エリアのヒマワリ畑には、キャンプ座間の皆さんもお手伝いに訪れ、座間に住む人みんなの「ヒマワリ愛」を実感したそうです。

「四ツ谷エリアは夕陽がきれいです。こちらにも、ぜひお越しください!」と窪田さん。農業、商業、地域の人がひとつになれる場として、来訪者をお出迎えしました。

鑑賞後のヒマワリは、
土を豊かにする「緑肥」へ

「ひまわりまつり」期間中、会場では200円の協力金で1人3本のヒマワリを摘み取ることができます。そして、花が枯れた後は、トラクターによって葉や茎を粉砕し、土の中に混ぜていきます。植物を肥料の一部として利用する「緑肥」として、枯れた後のヒマワリには畑の土壌を豊かにする役目があるのです。

昨年までは、ヒマワリの種を収穫して県央小売酒販組合・座間支部のメンバーが焼酎の原材料として活用していましたが、残念ながら23年12月で醸造は終了。今年からは、種の部分も緑肥として土に返ります。

おまつりで集められた協力金、そして畑にすきこまれたヒマワリが、また来年のきれいなヒマワリ畑をつくっていきます。「今後は、若い農業者の協力が得られると、もっと嬉しいです」と松平さん。次世代へと繋ぐため、努力を続けています。

座間のヒマワリは、「冬」もある!

来年のひまわりまつりまで待ちきれない!という方へ。かにが沢公園では、10月末~12月中旬に11,000本のヒマワリが次々に花を咲かせます。足を運んでみませんか?

座間のヒマワリは、「冬」もある!

ヒマワリの切花や種も大人気

ヒマワリの切花や種も大人気

爽やかな笑顔で取材に応じてくださった松平さん・窪田さん

爽やかな笑顔で取材に応じてくださった松平さん・窪田さん

座間市ひまわりまつり実行委員会事務局(座間市産業振興課内)
※本年の開催は、終了しました ◎Webサイト/ https://www.zama-kankou.jp/(座間市観光協会)
☎046-252-7601