相模線倉見駅・宮山駅周辺
都市伝説と本物の伝説が共存するエリア
単線ならではの風情があります
宮山駅周辺には花き栽培のハウスが点在
宮山駅前で町内産スイートピーを発見
名曲「赤いスイートピーを思わせるのどかな沿線
1979年にリリースされた名曲「赤いスイートピー」。歌い出しの「春色の汽車に乗って海に連れて行ってよ」という歌詞が、相模線をイメージさせるという都市伝説があります。
花栽培、とくにスイートピーの栽培が盛んな寒川町は、まさに春色のまち。そして相模線の終着駅は海のある茅ヶ崎なので、「春色」・「汽車」・「海」の3つのキーワードを満たしています。
単線でゆったりした雰囲気の相模線倉見駅・宮山駅周辺では、スイートピーの栽培ハウスを目にすることもできます。名曲を口ずさみながら、お散歩をするのにぴったりな風情です。
この一角だけが高台になっています
町指定重要文化財の説明看板
寒川町岡田の住宅街の中にひっそり佇む
町の遺跡「塔の塚」
寒川町岡田の住宅街の中にある、フェンスに囲まれた一角。ここは「塔の塚」(とうのづか)と呼ばれ、町の遺跡に指定されています。
相模川の支流にあたる目久尻川と小出川に挟まれた相模野台地上にあり、標高は頂部で29.5メートル、基底部で26メートル。平坦でなだらかな地形の寒川町内では、一番高い標高だといわれています。
「昔、僧侶が入定した(修行として断食を行った後、密室や洞窟にこもること)」という伝承のほか、「頂部に塔のようなものがあり、その塔の光がまぶしくて南湖(茅ヶ崎市)の魚が逃げてしまうので、南湖の魚売りが塔を倒しに来た」などの伝承があります。
2000年以降に発掘調査が2回行われていますが、中世ごろに構築されたものではないかということ以外、詳しいことは分かっていません。
ポコンと盛り上がった、なんとも不思議な遺跡です。
石碑には「寒川掛樋」と刻まれていました
稲作に欠かせない、大事な水路です
町民の憩いの場、水辺の遊歩道
田園風景を貫き、相模川の恵みを分け合う
「相模川左岸用水」
田園風景の中に現れる、長い橋のような石の建造物。近くに水門の跡があり、「寒川掛樋」、「昭和11年5月竣成」と彫刻された文字が読めます。近寄って上から見ると、幅2~3メートルの水路であることがわかります。
この水路は、周辺流域の稲作のために、相模川の水を運んでいる「相模川左岸用水」。相模原市南区にある、下溝駅近くの「相模川磯部頭首工」という場所で取水された水は、座間市、入谷駅の裏を通り、相模線に沿って流れていきます。さらに海老名駅の駅前や海老名市役所を通って、寒川、倉見、茅ヶ崎へ南下し、最終的には千ノ川へ。相模川左岸一帯の田畑に供給している、20キロメートル以上の距離におよぶ長い疏水です。
1932年起工、1940年完成という長い歴史を持ち、現在も周辺流域の稲作を支えています。大事な水を多くの地域で共有できるよう、田植えは下流の茅ヶ崎から開始し、順番に上流エリアで行う、と流域内でルールが決まっています。
町民の憩いの場、倉見緑道
寒川町の才戸(さいど)交差点近くにある倉見緑道は、相模川左岸用水の上に設けられた遊歩道です。ベンチや藤棚、子ども達が遊べる水遊び場も整備されており、町の人たちの憩いの場となっています。
緑道の端を見ると、春~秋の稲作シーズンには相模川左岸用水が流れている様子が観察できます。