![アグリカルチャー[Agriculture]](https://ja-machijikan.jp/wp-content/uploads/2025/08/ttl_8_agri_main.png)

『米ディハウスくげぬま』

生産者の情熱とお客さまの笑顔をつなぐ、
地域の「食の安心スポット」
藤沢市にある創業46年の米ディハウスくげぬまは、生産者の熱い思いとお客さまの笑顔をつなぐ、まさに地域の「食のオアシス」です。
店長の二ノ宮健(たけし)さんが目指すのは、地域住民にとって「冷蔵庫代わり」となる存在。実際、お客さまの中には、朝の入荷に合わせて来店した後、なんと1日に4〜5回も足を運ぶ方がいらっしゃるといいます。この驚くべき利用頻度の理由は、単に商品が新鮮なだけでなく、店長やスタッフの細やかな気配りがあるからこそだと思いました。




二ノ宮店長は、単なる販売業務に留まらず、プロフェッショナルな姿勢を見せています。以前、お店の前の道路は海側から標識が分かりづらく、お客さまがうっかり右折してしまい交通違反で捕まってしまう事例が多発していました。店長は、お客さまが安心して来店できるようにと、県議会議員に働きかけこの標識の問題解決に取り組んだといいます。そんなエピソードも、お客さまへの細やかな配慮と熱意を物語っています。
近隣に大型店が進出しても、「顔の見える販売」をモットーにお客さま対応を強化。開店直後に限定タイムセールをかけるなどと、来店客との信頼関係を築いています。なお、このタイムセールは店長が出勤している日のみの限定開催という、ユニークな取り組みです。
プロの「情熱」と「採れたて」を
届ける確かな絆
私たちが取材に伺ったのは、11月下旬。店頭には冬の味覚であるダイコンやハクサイが、まるでまだ朝露をたたえているかのような抜群の鮮度で並んでいました。
「米ディハウスくげぬま」を支えるのは、熱い思いを持ったベテラン農家さんたちです。当日、たまたま納品に来られていた山上信一さん、関根栄一さん、杉山喜八さん、山口貞雄さんといった農家さんたちを取材させていただきました。店長は、こうした農家さんたちと強い信頼関係を築き、「新鮮なものを適正価格で届けたい」という店の強い思いを胸に、毎日丁寧に品質を見極めて販売しています。
特に、AIを活用して似顔絵を作成しシール化するなど、新しい技術を販売の工夫に取り入れる杉山幸吉さんのような農家さんなど、農家さんの工夫や努力を大切にすることで、地場産の魅力を最大限に引き出しています。そして、店名にもある通り、お米へのこだわりも健在です。玄米から白米まで7段階を選べる精米サービスは、お客さまの食への細やかなこだわりに応えています。






地元愛と手作りの工夫が生む、
和やかな交流
このお店の魅力は、地場産の新鮮な野菜だけにとどまりません。
地元和菓子店「片瀬のみどりや」のご主人、佐藤修一さんの加工品コーナーは、地域のお客さまへの「おもてなしの心」にあふれています。特にお勧めなのは、地元産の鶏卵を使った銘菓「ばたーどらやき」。さらには、地場産米を使った正月用のお餅など、この店でしか手に入らない地域の「ごちそう」が並びます。
そして、お店のアットホームな雰囲気を作るのが、地元パートスタッフの存在です。自ら野菜を買って調理し、その経験を元に作成した手作りのレシピを店頭に掲示。お客さまに「こんな食べ方もあるよ」と積極的に提案します。お客さまから「この野菜、どうやって食べるの?」という相談があれば、パートスタッフが「私、この前作ってみましたよ」と、調理方法を詳しく教えます。その光景は、まさに昔ながらの八百屋さんが持つ和やかな交流です。お客さまの食卓を豊かにしたいという思いが、お店全体にあふれています。
若き「挑戦」を後押し
未来へつなぐ地域の育み
「米ディハウスくげぬま」の活動は、地域の農業の未来へとつながっています。ここでは、新規就農者を応援する温かいサポート体制が築かれています。
舞台芸術から農業に転身した「うら農園」の山浦千佳さん(27歳)の成功は、その象徴です。二ノ宮店長は、「大きい直売所だと入りにくい」と感じる新規就農者が、ベテラン農家さんと交流を持ちやすいよう、小規模店舗から気軽に参入できるハードルの低い戦略をとっています。
時には、口座開設などの手続きを、店長が「一緒に行きますから」と直接サポートすることもあります。営農経済センターと連携して技術指導の場を設けるなど、手厚い支援を行っています。この心強いサポート体制が、新規就農者に「これならできる」という安心感と自信を与え、次の世代へと農業のバトンをつないでいます。


店頭の野菜を使って、パートさんが実際に試したレシピの紹介。作り手の顔が見えるだけでなく、「どうやって食べるのが一番おいしいか」を教えてくれる、お客さま想いのサービスです。



地域に根差す直売所
米ディハウスくげぬまの
「鮮度と発見」と「見えない絆」
米ディハウスくげぬまの最大の魅力は、新鮮な農産物を通して、お客さま、農家さん、そしてスタッフの間に生まれる「見えない絆」です。生産者の思いが詰まった野菜と、和やかな交流。そして店長が心掛けている「ここはなくなったら困る」と思ってもらえる店作り。新鮮な驚きに満ちた発見と、まるで家族のように心が安らぐ「安心感」。あなたもきっと、この地域の食を支える温かい空間を「こんなお店があったらいいな」と感じるはずです。ぜひ一度、米ディハウスくげぬまに足を運んでみてください。
米ディハウスくげぬま
◎住所/〒251-0028藤沢市本鵠沼2-7-1
◎営業時間/9:00~17:00
◎定休日/毎週水曜日(12月31日~1月4日は休業)
◎アクセス/小田急江ノ島線「本鵠沼駅」から徒歩 7分。JR「藤沢駅」・JR「辻堂駅」からバス10分。「鵠沼小学校前」バス停下車
◎電話/0466-26-5561
◎ホームページ/https://ja-sagami.or.jp/archives/store/store_ja_kuneguma/
『マイファーム藤沢』

街なかの「緑の教室」
元教師が伝える「自産自消」の喜び
藤沢市の住宅地の一角にある「マイファーム藤沢」。ここは遊休農地を生かし、都市の貴重な農地を守りながら、多くの方々に「自分で作る喜び」を伝えている場所です。この農園で指導にあたるアドバイザーのひとりが、元小学校教員という経歴を持つマイファームの社員、次田千絵美(しだちえみ)さん。野菜づくりに目覚め、キャリアチェンジした次田さんの熱い思いと、農園が街にもたらす活発な交流と食農教育の広がりに迫ります。




「自産自消」が変える食への意識、そして自然との距離をつなぐ
マイファームが目指すのは、農家だけでなく、国民一人ひとりが日常的に自分で食べるものを作れる環境、すなわち「自産自消のできる社会」です。
次田さんは、社会課題の根源にある「食への意識の低下」に対し、畑での体験が重要だと語ります。ご自身も「野菜作りを始めてから、気候変動や資材高騰の中で農家さんがどれだけ苦労して作っているかを知りました。作る側の気持ちを理解すれば、高くても仕方がない、形がいびつでもおいしく食べたい、という意識の変化が生まれます」と、畑での気づきを率直に示しています。
野菜づくりは、食を巡る問題に対し、消費者側の意識を向上させるという重要な役割を担っています。次田さんは、小学校のPTA祭りで「種団子作り」のワークショップを行うなど、早い段階から子どもたちに野菜や自然への興味を持ってもらう活動にも力を入れてきました。体験を通じて、食への意識を変えるきっかけを提供しています。
パイオニアの知恵
手ぶらで始める安心感と
利用者の思いの尊重
体験農園のパイオニアとして、マイファームは全国トップクラスの規模に拡大しました。その独自のノウハウの根幹にあるのは、利用者への手厚いサポートと自由な栽培を両立させることです。
農園では、化学農薬・化学肥料を使わない方針を立てています。道具は農園に用意されており、手ぶらで立ち寄ることができる手軽さも魅力です。
初めての利用者も安心できるよう、各農園には必ずアドバイザーが配置されています。次田さんは、元教師という自身の経験を生かし、「利用者さんのやりたい思いや方向性を尊重しながら一緒に解決策を考える」という親身なアドバイスを大切にしています。
栽培方法も基本ルール以外は自由です。ビニールマルチを使う人、雑草を敷いて保湿に利用する人など、利用者が自分のやり方を試す場所として、それぞれの工夫を楽しむことができます。




「農地をつなげる」使命が
都市の緑を守り、農業の入口となる
マイファームの事業の根底にあるのは、「農地を農地としてつなげる」という強い使命感です。
この体験農園事業は、遊休農地の増加や地主が管理困難になった農地を、宅地化などから守るために始まりました。都心部で貴重になりつつある農地を体験農園として活用してもらうことで、農地の保全に貢献しています。
利用者の「野菜づくり」という個人的な行動が、結果的に「農地の維持」という大きな社会課題の解決に結びついています。他県ですでに開設した農園では、農業体験をきっかけに、農業学校へ通い本格的に農業を学んだり、なお一層進んで就農を目指したりする利用者もいるなど、農業への入口としての役割も担っています。
マイファーム藤沢の
「とっておきの楽しみ」は
畑で生まれる和やかな交流
2025年9月下旬にオープンしたばかりのマイファーム藤沢。家族連れや退職後の趣味として始める年配の方など、幅広い層が野菜づくりを楽しんでいます。
現在、ダイコンやカブ、カラフルブロッコリーなどが順調に育っています。小松菜のように比較的育てやすい野菜は、初心者にもお勧めです。種の配布もあり、種取りもできる仕組みもあります。
農園では、利用者同士のコミュニティー形成も活発です。次田さんは、「お隣の畑が気になるという心理から、自然と利用者同士の交流が生まれます」と語ます。「野菜づくり以外にも、農園固有のイベントや講習会を開催することで、もっと農園を楽しめる工夫を取り入れています」と、交流の場づくりについて説明しています。互いの区画の様子を見て刺激を受け合う文化が、「とっておきの野菜づくり」の楽しさをさらに深めています。




次田さんが描く、食卓の未来
マイファームは、今後も「自産自消」の考え方をさらに広げていきたいと考えています。次田さんは、未経験から農業に飛び込んだご自身の経験を踏まえ、「自分で作る喜び、土に触れる楽しさ、そして収穫の感動を、もっと多くの人に体験してほしい」と熱く語ります。都市の貴重な農地を守りながら、「食の意識を変える教室」として機能するマイファーム藤沢。町の中で土に触れ、みどりへ思いをはせる時間を提供してくれます。菜園を持たない人も、農地を活用したいという人も、新しい都市の農地の使い方を考えてみてはいかがでしょうか。
マイファーム藤沢
◎住所/〒251-0005藤沢市並木台二丁目2番1
◎アクセス/小田急江ノ島線・JR東海道線「藤沢駅」北口バスロータリー5番乗り場から神奈中バス「船32 大船駅西口行き」などに乗車。「渡内」バス停下車徒歩7分
◎電話/0120-975-257
◎ホームページ/https://myfarmer.jp/farms/324/
『学校法人鈴木学園 日本ガーデンデザイン専門学校』

銀行員から転身!
副校長が伝えたい、
植物と人生の無限の可能性
「植物は嘘をつかない」――この力強い言葉を胸に、銀行の職を辞し、「みどりの世界」に情熱を注ぎ続ける教育者がいます。学校法人鈴木学園 日本ガーデンデザイン専門学校の中村文副校長です。
神奈川県藤沢市にあるこの学校は、県内唯一の造園・園芸・フラワーの専門教育を担っています。学生たちが丹精込めて植物の手入れをする温室や畑、そして造園実習場が広がり、その学びの環境はまさに「生きた教科書」そのものです。私たちは、中村先生の「人を育む」という熱い想いが、学生たちの前向きな挨拶や意欲から強く伝わってくるのを感じました。
開校以来20年以上にわたり、造園、園芸、フラワー装飾といった「みどりの業界」に創造性豊かな人材を送り出してきた、この専門学校の教育の原点と、未来への展望を掘り下げます。




3つのキーワード
「奉仕・自立・思考」が育む人間力
同校が掲げる教育理念は、「奉仕」「自立」「思考」の3つです。この理念には、「植物を育み、心と体の健康を考える」という教育の軸が込められています。先生は技術指導と並行して、「人と人とのつながりや心の豊かさ」といった人間力を高めることを最も重視しています。
学生たちが社会で愛される人材となるよう、同校は基礎教育を徹底しています。まず、「コミュニケーションは挨拶から」という考えのもと、礼儀や主体性を大切にし、技術以前に人として可愛がられる心持ちを学生に伝えます。次に、植物を単なる「物」ではなく「生き物」として扱うことの大切さと魅力を伝えています。この徹底した姿勢こそが、卒業生が現場で「草花を生き物として大切に扱ってくれる」と高く評価される理由です。
さらに、卒業生や近隣から約200名が来場する学園祭「緑縁祭(りょくえんさい)」の企画・実施や、地域清掃などの社会貢献活動を通じて、奉仕の精神と自主性を育んでいます。
卒業後すぐプロに!
全体の2/3が実習の「現場主義」
同校はカリキュラムの3分の2以上が実習という、実践重視です。これは、卒業後すぐに現場で活躍できる即戦力となることを目指しているからです。研究者ではなく「体を動かすことが好き」な学生が多いため、座学と実技の黄金バランスで知識と経験を定着させるこの実践主義こそが、夢をかなえ、長く活躍できるプロを育む鍵となっています。
プロ意識は、日々のリアルな実習から育まれます。温室の管理や水やりは、お正月や夏休みも交代制で学生が長期的に担当します。種から育て、ポット上げを行い、季節の花を実習先である俣野別邸庭園へ納めるなど、「仕事に近い」リアルな体験を積むことで、働くイメージと現実のズレを最小限に抑えています。
また、近隣の大手食用油脂メーカーの敷地内にある花壇のデザイン・施工や、外原公園のハート型花壇のデザインと植え付けも行います。さらには日比谷公園ガーデニングショーへの継続的な出展など、外部との関わりを積極的に設けています。これらの本気のプロジェクトを通じて、学生たちはやりがいや楽しさ、達成感を感じ、成長していきます。


右)外原公園で見つけた、ハート型に整えられた可愛らしい花壇。パンジーなどの色とりどりの花が植えられていて、学生がデザインと植え付けを担当。地域の人々の目を楽しませています



卒業はスタートライン!
「未来」を見据えた創造的教育
卒業生が高い評価を得ている背景には、「完成は植栽した時ではなく5年後」という長期的な視点を持つ教育の工夫があります。
有名な園芸番組に出演するような著名な講師陣やランドスケープの専門家、地元農家など現役のプロフェッショナルが指導に当たります。業界の最新技術と知識を吸収できます。創造性を育む課題設定では、デザインコンペ形式で花壇デザインを行い、選ばれた学生のプラン・デザインをもとにクラスのメンバーで整地、植え込みまで行います。「自分が作り手になる」というプロセスを重視しています。
目指せる国家資格は、造園技能士(3級・2級)やフラワー装飾技能士など、プロの仕事に直結するものが多く、実習場がそのまま検定練習の場としても機能しています。こうした徹底した実践教育により、卒業生はデンマーク出身の著名なフラワーアーティストの会社や、テーマパークの植栽を手掛ける企業といった幅広い分野で活躍し、現場で即戦力として評価されています。卒業生が実習指導を行うという、良いつながりも生まれています。
人を笑顔にする仕事
中村先生が語る「みどりの魅力」
中村先生は、「みどりの業界の仕事は植木屋さんや花屋さんだけではない」と伝え、学生の可能性を広げています。国内有数の農産物直売所であるJAさがみ「わいわい市」や、地元の植木農家さんなど、神奈川県の豊かな「みどりのインフラ」と密接に連携し、学生が様々な生産の現場に触れる機会を設けています。
また、GREEN×EXPO 2027の屋内出展への応募といった、学生が国内外の大きな舞台を経験できる場を広げ続けています。
中村先生は、未来のプロを目指す若者たちへ熱いメッセージを贈ります。
「花や緑は、人を笑顔にし、疲れた時に救われたりと、人と人をつなぐ役割を持っています。植物という生き物を扱う仕事は、一つとして同じものがなく、無限の可能性とクリエーティブな自由があります。もし少しでも興味を持ったら、ぜひ自分でいろんな場所を見に行ったり、行動に移してください。この仕事の魅力と責任を深く理解し、多くの人に癒やしや感動を提供できるプロになってほしいと願っています」
この学校から巣立った若者たちが、みどりの力で地域社会、そして未来の業界を豊かにしていく。中村先生が語るその思いは、確かな期待として響きます。


学校法人鈴木学園 日本ガーデンデザイン専門学校
◎住所/〒251-0002藤沢市大鋸1218-1
◎アクセス/小田急江ノ島線・JR東海道線「藤沢駅」北口バスロータリー5番乗り場から神奈中バス乗車。「鉄砲宿」バス停下車徒歩1分
◎電話/0466-28-0411※進路や学校見学に関するお問い合わせはこちらへ
◎ホームページ/https://www.suzukigakuen.ac.jp/garden/



























